「社会の問題は、社会の機能不全であり、社会を退化させる病である。それは組織、とくに企業のマネジメントに対する挑戦である。」(P・F・ドラッカー ~マネジメント~)
私がもっとも好きなドラッカーの言葉のひとつです。
この言葉の後は、下記のように続きます。
「機会の源泉である。社会の問題の解決を事業上の機会に転換することによって自らの利益とすることこそ、企業の機能であり、企業以外の組織の機能である。
変化をイノベーションすなわち新事業に転換することは、組織の機能である。」
人は夢や理想、目標等がなければ、自分自身を向上させることはできません。
私の知る限り、ドラッカーが日本の読者に向けた最後のメッセージは「自らのアイデアを夢に終わらせてはいけない」でした。2005年春です。(7月にも伝記の前書きをしていますが、メッセージはありません)
私は、ドラッカーの夢は「全体主義を封じるための活動」だったように思えてならないのです。
自由経済が必ずしも完全なものではないことを理解したうえで、ドラッカーは多くの組織(=企業・学校・病院・NPO等)・その組織で活躍する人・将来、組織に入る方・起こす方に対して、思想を伝道してきたのではないでしょうか。
私たちは変化を嫌います。恐ろしいものです。
しかし、自己を変革(成長)していかなければ、厳しい時代となっています。
裏表紙で採用した言葉は、ドラッカーの数ある言葉の中でも、とくに方向付けをしてくれるものです。最初から一人前の会社なんてありません。だからこそ、少しずつでも、一人前を目指しましょう。その次のステップに、この言葉が待ち構えています。
変化って、そんなに恐ろしいものでしょうか。無情なものでしょうか。私は「変化」を「成長」と置き換えると、恐怖は消え去ります。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。」
ドラッカーが日本文化を愛したのは、このあたりにも隠されているかもしれませんね。
さて、これから日曜のテキストを仕上げますね。