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奄美ICTの前田守のブログです。「奄美でもできる。奄美だからこそできる道がある。」と信じています。
by DrMaeda2005
経験者はかく語りき。
 magunamu2005さんが刺激的な投稿をしてくださいましたので、私もすこし。

 中小企業にとって運転資金は生命線です。民間金融機関のプロパー融資はてっとりばやいのですが、利用するためには実績が何よりものを言うようです。また、5年程度は成長が見込める事業のほうが、借りやすいでしょうね。

 で、民間の金融機関よりも(奄美の場合、多少時間がかかっても)政府系金融機関は一度は利用しておいたほうが良いでしょう。国金さんと商工会議所さんのマル経で危機を免れた事業者も多いですし、第一次産業(農業)で融資を受けようとするなら、奄美群島振興開発基金さんは、はずせないでしょう。


 ちなみに@やっちやばの2階の増築工事は、多少の手元資金+民間金融機関のプロパー融資で、資金調達しました。

 民間金融機関さんはかなり応援してくださっています。というのも、当社は鹿児島県から「経営革新計画の承認」をいただいているからです。

 経営革新計画の承認を受けたから融資されたのではなくて、正確には、中小企業経営革新計画の承認を受けるために、当社がすべての書類・資料を作成し、さまざまな状況を予測した上で、鹿児島県にも、政府系金融機関にも、民間金融機関にも、きちんと、私の言葉で説明できたからだと認識しています。

 実際のところ、ここ数年は、奄美地域の金融機関は大きなリスクはとれない仕組みになっています。当社も事業構想の時点で金融機関に相談に行っても、門前払いだったことでしょう。金融機関まわりはストレスが溜まるものです。一行目は反発。二行目は歯がゆさ。三行目は絶望。無駄な金融機関まわりは、心が萎縮するだけです。


 経営革新計画は、良くできた制度ですよ。
 事業計画を外部の専門家に「丸投げ」する経営者さんが多いようですが、自分の事業プランを他人に「丸投げ」しては、いったい、何のための経営でしょうか。

 私は経営の目的は「いかにして存続なさしめるか」だと考えています。事業には働く人の夢があり、想いがあります。スタッフは生活の資のためだけに働く時代ではありません。スタッフの想いを実現させる企業・そうでない企業。どちらが愛されるでしょうか。


 経営革新計画を、自分の言葉で仕上げてみる事。
 役に立たないシミュレーションと呼ばれても構いません。しかし、きちっと100ページ以上の資料を、ご自分で作成すれば、事業の課題は絶対に浮かび上がってきます。その課題を埋めていくのも良し、課題の解決を後にして強みを活かしても良し。

 この事業計画を練るためには、絶対に必要なことがあります。内部と外部の(自分なりの)分析です。競合相手を答えられない事業計画は意味がありません。もちろん、天才的なイノベーション能力を持つ方もいるでしょう。市場を創造できる天才です。しかし、ほとんどの場合、事業は「既存の事業に、ほんのすこしの工夫・変わった切り口」で開けるものです。

 カイゼン(改善)は世界の言葉です。華やかな舞台を狙うよりも、カイゼンのほうが失敗しない確率はずっと高いものです。

 真っ向勝負の競争相手もいれば、間接的に競争する相手もいます。狭い島で競争なんてとお思いになるかもしれませんが、そうではありません。私たちが島の中で活発に経済活動をすればするほど、この地域は蘇るのです。競争のない社会(たとえば全体主義など)は、人々の意欲を食べる獏のようなものだとお考え下さい。

 それから、資金計画。これもいやになるほど勉強してください。裏表紙の言葉ですが「ベンチャーの挫折の原因はいつも同じである。第一に、今日のためのキャッシュがない。第二に、事業拡大のための資本がない。第三に、支出や在庫や債権を管理できない。」

 ファインプレーを狙う必要はまったくありません。堅守にかぎります。

 自分の言葉で練りに練った事業計画。
 そして、事業に対して揺らぐことのない信念。

 これで資金調達がうまくいかないときは、事業計画を見つめなおして、再チャレンジです。


 5年で上場する企業もあります。30年かけて上場する企業もあります。

 急激な成長がもたらす苦しみを、少しだけですが、私も経験しました。マネジメント不能に陥った事業は、人の心を病ませ、疑心暗鬼をもたらし、やがて思考が停止します。

 自分の天命を知ったなら、じっくりと「志」という柱に支えられた螺旋階段を、登っていくだけです。「焦らず」「今の生活を考え」「次代を想い」小さく始めた商いを、揺ぎ無い大木に育てて生きたいものです。

 真摯な姿勢で生きていく。
 とても難しいことですが、才覚のない私には、これしかないように思う次第です。

 経験者が語る(^○^)国金融資対策(第1回)
by DrMaeda2005 | 2006-01-26 14:59 | 私(前田)のこと
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